聞こえすぎる日々 (創作)

私は、親の勢いのせいで、今どき珍しく遺伝子操作を受けずにこの世に生を受けた。当然ながら、遺伝子操作を受けていないので、能力にばらつきがあり、周りの人間からかなり劣る。どうして後も周りの人間が普通にこなせることがこなせない。学校生活においては、常にいじめの対象だった。  生をこのように、この世に受けたこと、それ自体が罰のようなものだった。  

 しかし、不思議と歳を経るごとに、周りの人間たちにはない才能が開花しだした。それが聴覚だ。

 私は普通の人が聞こえない音や会話が聞こえてきてしまう。クラスの端だから絶対に聞こえないだろうというような陰口が鮮明にきこえてくる。他の人間にはない特徴。しかし、こんな具合なのだから誇れるものでもない。今日も今日とて聞こえすぎる毎日。大きな音が私の心を締め付け、穴に落ちるような浮遊感を与える。聞こえすぎるのだから聞いてみたい。神よ。なぜ私は生まれてきたのだ。私に何をさせたいのだ。生まれる苦しみを人の何倍も受けそれで何を私に何をさせたかったのだ。